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BADツアー来日'87
MJ in JAPAN


9月 9日(水)

  来日
9月10日(木)
  マイケルズ・ペット主催パーティー(1) / 後楽園ゆうえんち
9月11日(金)
  SONYメディア・ワールド / 日比谷ビデオショップ / キディランド
9月12日(土)
  コンサート@後楽園球場(1) 昼過ぎリハーサル / フランク・ディレオ主催パーティー
9月13日(日)
  コンサート@後楽園球場(2) / クインシー主催パーティー
9月14日(月)
  コンサート@後楽園球場(3)
9月15日(火)
  日本橋丸善 / 銀座ソニービル / インターナショナルアーケード / 池袋西武百貨店
9月16日(水)
  CBSソニー信濃町スタジオ(1)
9月17日(木)
  新幹線 東京→新大阪 / Hニューオータニ大阪・プラザシャトー
9月18日(金)
  大阪市役所表敬訪問 / マイケルズ・ペット主催パーティー(2) / ビデオレンタル店
9月19日(土)
  コンサート@西宮球場(1) 関西初ソロ公演1日目
9月20日(日)
  コンサート@西宮球場(2) / TWYMMF試写&指示
9月21日(月)
  コンサート@西宮球場(3) ヨシアキ君メッセージ / 両親&ラト姐が部屋訪問
9月22日(火)
  新幹線 新大阪→東京 / イエナ洋書店(1)
9月23日(水)
  EPICソニー主催パーティー / 博品館トイパーク
9月24日(木)
  富坂警察署表敬訪問 / 冨田勲氏邸訪問
9月25日(金)
  コンサート@横浜スタジアム(1)
9月26日(土)
  コンサート@横浜スタジアム(2) 日テレOA用収録1日目 ★ハグガ記念日w
9月27日(日)
  コンサート@横浜スタジアム(3) 日テレOA用収録2日目
9月28日(月)
  銀座4丁目交差点で写真撮影 / バブルス君のお仕事
9月29日(火)
  東京ディズニーランド
9月30日(水)
  永田町小学校 / 青山~赤坂 / NTT&ペプシ主催パーティー / 八重洲ブックセンター


10月 1日(木)
  ヤマハ楽器店 / アオイスタジオ
10月 2日(金)
  六本木アートセンター別館でフォトセッション / 電通
10月 3日(土)
  コンサート@横浜スタジアム(4) 追加1日目
10月 4日(日)
  コンサート@横浜スタジアム(5) 追加2日目 / バブルス君帰国
10月 5日(月)
  1日中ホテルで静養 米山医師来診(1)
10月 6日(火)
  品川・ソニー本社へ盛田会長を訪問 / 米山医師来診(2)
10月 7日(水)
  新幹線 東京→新大阪
10月 8日(木)
  コンサート@大阪球場(1) 中止 急性喉頭炎ダウン
10月 9日(金)
  コンサート@大阪球場(2) 中止 1日中ホテルで静養
10月10日(土)
  コンサート@大阪球場(1) 本来は(3)ラスト公演
10月11日(日)
  コンサート@大阪球場(2) 順延1日目
10月12日(月)
  コンサート@大阪球場(3) 順延2日目 ラスト公演
10月13日(火)
  大阪城 / 新幹線 新大阪→東京 / ソニー盛田会長邸訪問
10月14日(水)
  CBSソニー信濃町スタジオ(2)
10月15日(木)
  日産自動車 追浜工場 / 葉山ホテル音羽ノ森 レストラン潮幸 / イエナ洋書店(2)
10月16日(金)
  いのまたむつみ先生を招待 / 六本木WAVE(1)
10月17日(土)
  CBSソニー六本木スタジオ(2) / よみうりランド
10月18日(日)
  銀座山崎 / ユネスコとの発表会見 / 六本木WAVE(2)
10月19日(月)
  離日


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10月19日(月)
きょうは、41日間滞在した日本から発つ日


朝7時すぎ、『キャピトル東急ホテル』 からバンに乗って出てきたマイケルは
プレゼントを持ってキャピ前に集結していた約150人のファンに、
サンルーフから身を乗り出して手を振ったりして声援に応える。

ファン達は泣きじゃくりながら絶叫。



そのバンを追いかけるタクシーは、連なること40台!
行き先は、成田空港こと 『新東京国際空港』



千葉県警の新東京空港署は空港サテライト等に署員を配置し、
パニックを未然に防ぐべく 厳戒態勢

新東京国際空港公団検問を強化し、
マイケルの見送りのために来るファン達の空港への入場をシャットアウト。

が しかし、カンが鍛えられているファンは、どうにでも入りこみのの。



9時30分ごろ空港に到着したマイケルは、タクってきたファン達に手を振ってお別れをし、
混乱を避けるため 出発ロビーを通らず税関に直接入り、出国手続き。
いっぽうファン達は踵を返し、見学者用の空港ターミナルの屋上デッキへとダッシュ!



25番ゲートのある 北ウィング出発サテライトでボディガードら6人を引き連れつつ、
居合わせた旅行客に握手をしながら歩くマイケル。
他の旅行客らもマイケルをひとめ見ようと搭乗を少し遅らせたりと、最後までフィーバー。

取り囲む約70人の取材陣に対しても右手を上げ、
来日以来ずっと変わらない にこやかな笑顔をふりまきながら

 「Have a Nice Day!」




搭乗直前には、マイケル自身の申し入れで直接コメントを寄せた。
パトリックさんの持つマイクに、

 「日本を遠ざかるのは非常にさみしい。
 でもこんなに素晴らしいファンに囲まれて発つことが出来、とても嬉しい。
 また再び日本に戻ってくることをお約束します。
 どうもいろいろと有難うございました」




親指を立ててGoodサインをして見せたり、そして何度も何度も大きく手を振り
やがてゲートに吸い込まれていったマイケル…。



10時22分、マイケルを乗せたJAL731便香港へ向けて飛び立ち、
屋上デッキに100人以上集まったファン達は、マイケルの名を口々に泣き叫びながら
飛行機が完全に見えなくなっても見送り続けた。





思えば来日前、日本のメディアが伝えてきた風評は、奇人変人ぶりを示すものばかりだった。

しかし、彼らは日を追うごとに
マイケル・ジャクソンの実像と実態を否応なしにひもといてゆく事となる。

ずっと密着してきた日本テレビ取材班による総評は、
 「ナイーブすぎる普通の少年と天才エンターテイナーとが同居している」


<いちばん言われていたウワサは 「極端な人ぎらい」>


プロカメラマンですら写真がブレてしまうほどの、キレのあるダンス。
ホテルのベッドルームをダンスフロアに改造させ、日々たゆまぬ努力を重ねるプロ中のプロ

ステージ以外の練習は決して人に見せなかったマイケルが日本を去った後、
日本テレビのSディレクターが初めてベッドルームに入り そのダンスフロアを見ると、
 「掃除をしても消えない汗の跡がすさまじかった」



かと思うと、銀座の博品館トイパークでは "さくらさくら" のメロディーを口ずさみ
 「日本人って優しい声で話すんだよね」
と語るマイケルは "日本の心" を深く気に入っていたようだ、とSディレクター。

さらに、
 「あそこまで純な良心を持ち続けられる人間はいない。
 純粋な分だけ (周りから) 変な伝説が生まれたのだろう」





マイケルは、キャピトル東急ホテルの自分の部屋で打合せに使っていた小さな黒板に
赤いチョークでメッセージを残していった。

 【MAKE LOVE YOUR WEAPON TO OVERCOME ANY EVIL】
 
- 愛に打ち勝つにはあなたの愛しかない -





こうして41日間にわたる 『マイケル旋風』 は去ったのだった…

10月18日(日)

きょうは、台風一過の秋晴れ。
栃木の日光へ観光に行く計画もあったものの
往復にかかる時間を考えて夕方からの予定を優先し、けっきょく中止に。


その "夕方からの予定" ×2本は、8月にマイケル側がかけた1本の電話に始まる。
かけた相手は 『日本ユネスコ協会連盟・事務局』

 「日本での初公演にあたり、ユネスコの運動に協力したいとマイケルが言っている」

マイケルの肖像入りゴールド・メダル発行の許諾。
マイケル愛用品提供によるチャリティ・オークション
それらにかかる収益金全額寄付の申し出だったという。



まず17時すぎに 田中貴金属直営店の 『銀座山崎』へ。
(※S崎Nーナさんの本では "午前中" となってますが誤りですね)

茶釜や扇などをかたどった金製品を、マイケルは約30分かけて見学。




そして本題の、"マイケル金貨" の打合せ。




マイケルの顔をレリーフにした金貨は、クルーガー金貨よりやや小ぶりサイズにして
'88年早々2~3万円3千枚限定にて販売予定

…とは、この日時点での話。


 “このゴールド・マイケル・コインメダルは、
 '87年12月15日に2万2千円で発売。
 7千枚があっという間に完売”


と S崎Nーナさんの本に書かれているけど、私これ、知らないなぁ…


'88年12月、2度目のBADツアー来日にからめるカタチで、金貨のみならず
純プラチナ2種・純金1種・純銀1種の計4種類を発売したのは、がっつり知ってるけども。
価格は、4,700円~25万円


'87年の金貨も、予定どおり販売されたの?
ホントに??

'87版のリーフレット画像はあれど、ドラフトに過ぎん可能性も…
(疑い深い?ww
 
<左: '87年版 / 右: '88年版の表紙>


'88版のリーフレットには
 「表面のマイケルの横顔は、マイケル自身が多くの写真の中から選択したものです」
という解説が載ってるけど、実際はテケトーにS崎Nーナさんが選んだっつーことは
著書で自白されとりますナww



話を戻すと、銀座山崎サイドから金兜を贈呈されのの。




で、いったんキャピに帰着。



次に、20時30分から始まる記者会見のため 『渋谷パルコ PART1』 7階にある
イタリアンレストラン 『ダル・ポロニェーゼ』 へ。

これは、国連が定めた'89年の国際識字年にちなんで日本ユネスコ協会連盟が30日に主催する
チャリティオークション 【マイケル・ジャクソン&ユネスコ・コ-アクション】 の発表会見。
同協会が人気スターの協力で行なうオークションは、ジャッキー・チェンに次いで2回目となる。


サングラス,サイン入りTシャツ,ジャンパー,コットンシャツ,ステージで使用したマントや 枕元に並べて大切にしていたという高さ約5cmの "7人の小人" の人形,1人欠けている代わりにキリンの人形が1つ。
これら私物を含む約20点(※その時点)を、尾花事務局長に寄贈。



主催者からは感謝状&花束&ピカソ生誕100年記念の銀の棒タイ(ミロ制作)を贈られ、
マイケルは報道陣のカメラに向かって笑顔&敬礼。(カワイイ…

壁に貼られていた 世界の子供たちを描いたポスターを目ざとく見つけて無事1枚ゲット
マイケルはそれを手に 約30分で会場をあとにした。

帰り際は、バンからお手振りをしたために ファン達が公園通りを走ってバンを追っかけ。
日本最後の夜にもマイケルパニックを引き起こしたのでした。



ちなみに寄贈品は、10月20日~29日は 『パルコ PART1』 1階のショーウィンドウに展示
30日に 『パルコ PART3』 でチャリティーオークションが行なわれた。

オークションには、ハガキ応募者1,140名からの抽選で244名が全国から参加。
 「青いコーデュロイのシャツに ほのかな香水のかおりがする」
と発表されるや、大歓声でシャツに駆け寄る熱狂ぶり。

その香水シャツ20万円で落札され、
マイケルが日本公演用に購入したという黒い帽子13万円サイン入りタオル7万円等。
2千万円で業者が買うと噂された目玉のサイン入りウィンドブレーカーは、結局25万円
競り人がストップをかけなければもっと高値がついたはず、だってよww



約45分間でオークションは終了。
最終的にマイケルが寄贈した計34点の落札総額は約274万5千円
すべて日本ユネスコ協会連盟の識字教育活動に充てられ、発展途上国へ送られた。



発表会見の3日前、三浦半島を走る車中で尾花事務局長はマイケルに質問してみたそう。
 「日本には海外の途上国支援をしているNGOがたくさんあるのに、
 あなたはなぜ寄付先に民間ユネスコを選んで下さったのですか?」


マイケルは微笑みながら、ようやく聞き取れるほどの小さな声で
 「ユネスコの支援活動が "コーアクション" だからです。
 その理念に共感したから。
 上からモノを与える "ギフト" ではなく、ともに行動し ともに学んでいく。
 その精神が大切だと思うから」




この後もマイケルは、【訪日記念メダル】 の収益などを含め 約1千万円を日本ユニセフに寄付。
これを元手に 『ユネスコ世界寺子屋運動』 が立ち上がったそうで、
まる20年経った2009年の段階で 43ヶ国1地域の約124万人に学ぶ機会を提供できたという。


何の見返りも要求せず 基金にマイケルの名を冠することすら拒み
ただ、基金の使途について
 「学ぶ機会に恵まれない 途上国の子供たちのために」
の言葉を残し、マイケルは日本をあとにしたのだそう。



10月17日(土)
きょうは、台風19号による強風の中、仕事にも遊びにも精を出すマイケルだった。


13時すぎに 『CBSソニー六本木スタジオ』へ。
老舗ライブハウス『PIT INN』と同じ建物 (ある程度の世代はワカルと思うw)で、5階がスタジオ。

スタジオはA,Bと2つあり、話や情況を複合させるとAスタジオ使用でキマリ☆





<Aスタジオ内のブースから臨んだ出入口方面>



ここで行なうのは、リリース日が翌月に迫まっている "The Way You Make Me Feel" の、
ショートフィルム用の雄叫び&掛け声の追加レコーディング。


中に入るや マイケルは、スタジオとコントロールルームの両方をパッと見て
 「うん、これなら大丈夫」

そしてコントロール・ルームで約15分間、
TWYMMFの12インチver.で音をチェック




<コントロールルーム>



それが済んでスタジオに入ったマイケルは、そこにあるグランドピアノを弾きながら
「アー♪」 とか自作自演でボイストレーニング



<コントロールルームから臨むAスタジオのピアノ>


<これは約7年後のHISレコーディング時のだけど参考イメージ>



 「ピアノはなかなかの腕前。けっこう上手い」
と語るCBSソニーの清水氏は、
いったい誰がこの場を仕切るのだろうと心配していたそう。
信濃町で "Get It" 録りをした時と違い、クインシーはもう帰国して不在のレコーディング…。


が しかし、マイケルの "お仕事モード" を目の当たりにし、その懸念は吹っ飛ぶのでした。



ボイトレが済むとマイケルは、フィルムが観やすいようライトを落とさせて全体を暗くし、
ピンスポットを少し当てさせのの。

手順を問われると
 「I'll "Cue" You」
そして
 「フィルム後半のここからここの間に音を入れるから」
と説明し、ぴしっと 手でQサイン。 (かっちょえーー (≧∀≦)





今のテイクはOKとかNGとか もう1回とかもテキパキ指示し、全てをマイケルが自分でやるという
完全なセルフ・プロデュースだったそう。

これがもぉ、それはそれはすごく凛々しかったとな。
すごく。 (強調@清水氏



雄叫びを1層1層RECってる理由が解らないスタジオスタッフの目には
このレコーディングはとても奇異に映ったようで。
(ワタシ一生言うわよww


<日本でのTWYMMFキャッチコピー>
"新たな奇跡に向かってベストセラーを続ける 『BAD』からの第3弾ヒット!"




15時30分ごろ レコーディングを終え、キャピに帰着。



そして 17時すぎ、再びキャピを出て 東京・稲城の 『よみうりランド』 へ。

水族館を観たり、ジェットコースター,観覧車,ロックンロールなどの乗り物を
約1時間楽しんでいった。

 

10月16日(金)

きょうは、台風16号の接近で どんよりした曇り空の中
イラストレーター・アニメーターの いのまたむつみ先生をキャピの部屋にお招き。


ことの成り行きは、
 『宇宙皇子』の画集 を、京都の書店で見つけたマイケルが
 むつみ先生にラブコール

…と アニメ誌でのちに紹介され Wikiにも書かれてるけども、
マイケルは京都に足を踏み入れていない事はご周知のとおり。
なので
ソレは聞き違いか言い違いか、とにかく事実面でいえば誤りゆえ いちおうネット上に是正を記録





むつみ先生を招き入れると、マイケルは引き出しから 『宇宙皇子』の画集を取り出してニッコリ。
マイケル “が” サインを欲しがるという超貴重シーンのご体験をw




 「イラスト集のどんなところに魅かれましたか?」
と訊くむつみ先生に対し、
 「色の使い方が新鮮です。一体どうやって描いているのですか?」
と、質問がえしをしたマイケルは、
 「僕のイラストを描いてほしい」
という望みもその場で果たすのでありました。

  



むつみ先生はその日1日ボーッとしてしまったそう。
後日も
 「なんだか、あまりにステキな方だったので、あの日の記憶が欠落しているんですよ。
 他の人に言われてようやく思い出すんですよね」






20時ごろ、六本木のミュージックストア 『WAVE』(※)へ。
 (※いま六本木ヒルズのメトロハットが建ってる場所に'99年まであった)



MOTOWNが過去のLPアルバム2枚分をCDアルバム1枚に収めたシリーズを出しているのを見て
 「良いアイデアだね」
と 数枚を購入していたマイケルに、同行していたCBSソニー清水氏が
 「J5のは買わないの?」

すると、笑って
 「買っても僕にはお金が入って来ないんだ」


もちろんジョークで言ったんでしょうけど、事実でもありのの。



ところで


本当はあす17日にLAへ帰国予定だったけども、
カゼによる公演延期で日程が2日ズレ込んだため 19日に離日となった。

ただし
 「もういっそ、日本から近い香港へ行ってゆっくり休養しては?」
とのスタッフの意見をマイケルが採用、LAへは帰らずに香港へ向かうことがこの日、明らかになった。

香港は、もともと日本の次に公演が予定されていた場所で、スタッフの下見も終わっていた。

マイケルは
 「日本は大好きだけど、出来ればファンに追っかけられずにゆっくりしたい」
と語っていて、香港では日本公演の疲れを癒すため のんびり休養の予定。

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