初日が黒、2日目が白とオープニングの衣装を変えたマイケル。 3日目の14日は、上が赤、下が黒のレザーパンツで登場。 「ハートブレイク・ホテル」のシルエットスクリーンに 「HOTEL」の字を入れるなど、日ごとにステージは改良されている。 (1987.9.15付 報知より) |
僕は、ジャクソン5の頃からのファンで、彼への憧れが芸能界に入る直接のきっかけになったんです。 マイケルは小さい頃から、歌と動きがバツグンでしたよね。で、成長するにつれて、より洗練されてシャープさが増してきたという感じ。 彼の踊りを見て、まず日本人と決定的に違うなあと思うのは、根本的な身体のつくりですね。手足がすごく長くて、見かけはすごく華奢なんだけど、実はすごく鍛え上げられてるっていう - そういうスタイリングの違いっていうのは大きいなと思います。 そこに、あのノリ,スピード感,瞬発力が加わるわけだから、これはちょっとやそっとじゃ真似できない。特に彼の場合、小節ごとの振りじゃなくて、一拍ごと・半拍ごとの振りでしょう。あのキメの鋭さはすごい。 今でこそ、ムーンウォークなんて見ても誰も驚かないし、出来る人もたくさんいるけど、あれを初めて観た時のショックは大きかったですよ。ビデオテープを何回も何回もコマ送りしながら一晩中練習してね、やっとそれなりに見えるようになったけど、やっぱりね、マイケルのと比べると全然違うんですよね。 僕は一時期、本当にマイケル一色になった事があって、自分のステージでも彼のナンバーを踊りまで完コピしてやってた事があるんですけど、彼の踊りをやってみるとね、特に足の裏がすごく痛くなるんですよ。すり足的な動きが多くてね。摩擦する部分が多いから、その分 力を吸い取られるっていうか、とにかく踊り終わった後すごく疲れる。 ダンスをやる人はみんな 「足の裏が疲れる」ってよく言いますけど、マイケルのダンスの場合は特に、足の親指の付け根とかがすごく痛くなるんですよ。 それに、相当な筋力を必要とするダンスなんですよ、あのダンスは。 しかもそれを、歌を聴かせながらやらなくちゃならないわけでしょう。かなりシンドイはずです。歌と踊りの両方に集中するのはすごく大変な事だし、身体が酸素不足になりがちなんですよね。だから、一瞬のうちになるべく沢山の酸素を吸入しなくちゃならないし。 マイケルは菜食主義者だって言われてますけど、一体どうやってあの筋力を維持してるのか、不思議ですね。 確かに、野菜だけを食べてると身体のラインはシャープになるでしょうけど、僕なんか肉食べないとね、やっぱりエネルギーの源が補えないって感じですから。 彼もたぶん、長丁場になるとシンドイんじゃないかなあ。 だから、今回のワールドツアーとかでも、周りについてる人が栄養分の摂り方なんかをかなり気を使って計算してるんでしょうね。 それから、マイケル自身も - 毎日ダンスの練習をしてるかどうかは判らないけど - あの身体をキープするために、柔軟とか身体を動かすことは絶対毎日してると思いますよ。 マイケルが、集団の中で同じ振り付けのダンスを踊っても目立つのは、もちろんポジションの良さというのもあるけれど、彼から溢れ出る緊張感というか 気迫みたいなものがすごいからだと思います。 あれは天性のセンスだと思いますけどね。彼の素晴らしさの7割は、天性のものなんじゃないかなあ。 たとえば、同じ振り付けのダンスを踊る場合… これは少し基本とかけ離れた話かもしれないけど - "表現" という事を考えると、技術的に多少劣っていても、より感性が豊かな人のほうが数段 艶っぽいんですよね。マイケルには、技術とともに そういうセンスも備わってるんです。だから集団の中で同じ振り付けで踊っても、彼が目立つ。 やっぱり、1つの振り付けを与えられた場合に、それを噛み砕いて完全に自分の感性とマッチしたものに出来る そのセンスを持った人と持ってない人とじゃ、踊りの表現が全然違うんですよね。そしてそれは、観る側にも非常にハッキリと伝わる。 そのへんのセンスでも、彼はズバ抜けてるんです。踊りは、単なる技術だけでは表現出来ないものですから。 僕はVICTORYツアーの時カンザスシティーに行ってステージを観てるんですが、今度の来日公演ではマイケルがソロでどれくらいすごい事をやってくれるか、そこに期待したいと思います。 |