10月19日(月)。
きょうは、
41日間滞在した日本から発つ日。
朝7時すぎ、
『キャピトル東急ホテル』 からバンに乗って出てきたマイケルは
プレゼントを持ってキャピ前に集結していた
約150人のファンに、
サンルーフから身を乗り出して手を振ったりして声援に応える。
ファン達は泣きじゃくりながら絶叫。
そのバンを追いかける
タクシーは、連なること
40台!行き先は、
成田空港こと
『新東京国際空港』 。
千葉県警の
新東京空港署は空港サテライト等に署員を配置し、
パニックを未然に防ぐべく
厳戒態勢。
新東京国際空港公団は
検問を強化し、
マイケルの見送りのために来るファン達の空港への入場をシャットアウト。
が しかし、カンが鍛えられているファンは、どうにでも入りこみのの。
9時30分ごろ空港に到着したマイケルは、タクってきたファン達に
手を振ってお別れをし、
混乱を避けるため 出発ロビーを通らず
税関に直接入り、出国手続き。
いっぽうファン達は踵を返し、見学者用の空港ターミナルの
屋上デッキへとダッシュ!
25番ゲートのある
北ウィング出発サテライトでボディガードら6人を引き連れつつ、
居合わせた旅行客に握手をしながら歩くマイケル。
他の旅行客らもマイケルをひとめ見ようと搭乗を少し遅らせたりと、最後までフィーバー。
取り囲む
約70人の取材陣に対しても右手を上げ、
来日以来ずっと変わらない にこやかな笑顔をふりまきながら
「Have a Nice Day!」。
搭乗直前には、マイケル自身の申し入れで直接コメントを寄せた。
パトリックさんの持つマイクに、
「日本を遠ざかるのは非常にさみしい。
でもこんなに素晴らしいファンに囲まれて発つことが出来、とても嬉しい。
また再び日本に戻ってくることをお約束します。
どうもいろいろと有難うございました」親指を立てて
Goodサインをして見せたり、そして
何度も何度も大きく手を振り、
やがてゲートに吸い込まれていったマイケル…。
10時22分、マイケルを乗せた
JAL731便は
香港へ向けて飛び立ち、
屋上デッキに
100人以上集まったファン達は、マイケルの名を口々に泣き叫びながら
飛行機が完全に見えなくなっても見送り続けた。
思えば来日前、日本のメディアが伝えてきた風評は、
奇人変人ぶりを示すものばかりだった。
しかし、彼らは日を追うごとに
マイケル・ジャクソンの実像と実態を否応なしにひもといてゆく事となる。
ずっと密着してきた
日本テレビ取材班による総評は、
「ナイーブすぎる普通の少年と天才エンターテイナーとが同居している」。
<いちばん言われていたウワサは 「極端な人ぎらい」> プロカメラマンですら写真がブレてしまうほどの、キレのあるダンス。
ホテルのベッドルームをダンスフロアに改造させ、日々たゆまぬ努力を重ねる
プロ中のプロ。
ステージ以外の練習は決して人に見せなかったマイケルが日本を去った後、
日本テレビのSディレクターが初めてベッドルームに入り そのダンスフロアを見ると、
「掃除をしても消えない汗の跡がすさまじかった」。
かと思うと、銀座の博品館トイパークでは
"さくらさくら" のメロディーを口ずさみ
「日本人って優しい声で話すんだよね」と語るマイケルは
"日本の心" を深く気に入っていたようだ、とSディレクター。
さらに、
「あそこまで純な良心を持ち続けられる人間はいない。
純粋な分だけ (周りから) 変な伝説が生まれたのだろう」。
マイケルは、キャピトル東急ホテルの自分の部屋で打合せに使っていた小さな黒板に
赤いチョークでメッセージを残していった。
【MAKE LOVE YOUR WEAPON TO OVERCOME ANY EVIL】
- 愛に打ち勝つにはあなたの愛しかない -こうして
41日間にわたる
『マイケル旋風』 は去ったのだった…
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