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マイケルは「努力の人」
元バックダンサー、ユーコ・スミダ・ジャクソンさん




 '90年から6年間にわたって同じステージに立っていた日本人女性ダンサー、ユーコ・スミダ・ジャクソンさんは、生前のマイケルの姿を1日たりとも忘れたことはない。
 「彼は人一倍努力を重ね、何事にも完全燃焼でした。 彼と出会った経験を踏まえ、私もダンスが皆の元気の源になることを伝えていきたい」
と決意を新たにする。

 ユーコさんは熊本県出身。 24歳のときに単身米国に移住し、マイケルやベイビーフェイスのツアーダンサーとして一躍世界的ダンサーとなった。
 アメリカ人の夫と死別後、6年前に帰国。 現在は都内でオリジナルエクササイズ 『アウェークニング』 を指導している。

 ユーコさんにとって今も忘れられないのが、マイケルの手の感触だ。
 '92年に始まった 『DANGEROUSツアー』 のオーディションで、たった1人の女性ダンサーの枠を手に入れた時だった。
 「マイケルの手には透明感があり、冷たいようで温かい感じもした。 存在感はあるが、壊れやすいというイメージもあって。 独特でした」

 ツアーの最中、バックステージで積まれた機材の箱の上に、自分だけの 『特等席』 を見つけた。
 「そこからマイケルが1人で 『Billie Jean』 を踊る姿を見下ろすと、鳥肌が立つほどすごかった。 いつも本番は、リハーサルとは比べものにならない程のパフォーマンスでした。 音や照明にも即座に指示を出す。 あそこまで高いレベルのアーティストはいません」
と称賛する。

 ユーコさんによると、マイケルはまさに努力の人だった。 華麗なダンスの技術は、独学で身に付けた。

 ある時、新曲を振付師から学んでいるマイケルが 「あまり格好良くないな」 と不思議に思ったことがある。
 「そんな時、マイケルは自分で練習して仕上げたり、出来なかったらすぐに別の形に変えたりしていた。 自分がよく見えていたんです。 才能を持った人だから何をやってもうまくいくのでは、と思っていたが、違いました。 私たちと同じで、出来ないこともある。 神様ではなく、人間だなと思いました」

 マイケルのパフォーマンスは「愛」にあふれ、いつも高みを目指していた。
 「最後のリハーサル風景を映した映画 『THIS IS IT』 を見ても、目の前のプロジェクト1つ1つに全力投球し、創造力を発揮している。 限界は感じていなかったと思います」

 プライベートでも、マイケルは常にスターとして振る舞っていた。 ツアーを無事に終えた後、マイケル貸し切りの遊園地や買い物に一緒に行ったこともあったが、食事をするところは見せなかったという。

 当時、少年への性的虐待といったスキャンダルで騒がれていたこともあり、間近にいたユーコさんには、かなり大変な思いをしていることが伝わってきた。
 「生後間もない私のまな娘を自室へ連れていこうとしたこともあった。 そんな接し方を見ても、マイケルは実はピュアで不器用なんです。 そんなところがメディアに理解されなかった一面はある。 こんないろんな事が、ついこの間のように思い出されます」


■没後1年、衰えぬ人気

 没後1年近く経っても、マイケルの人気は衰えを知らない。 生前の映像を収めた映画の公開も決まるなど、命日の6月25日が近付くにつれ、マイケルの話題で持ちきりになりそうだ。

 ソニー・ミュージックは今月30日まで、天国のマイケルにあてたメッセージをインターネット上で募集。 それをちりばめた音楽ビデオレターを米国のMJ財団に届ける企画を実施している。

 また、昨年秋に公開された話題作 『THIS IS IT』 に続き、追悼映画 『マイケル・ジャクソン キング・オブ・ポップの素顔』 が世界に先駆け、命日の6月25日から全国100ヶ所近くの劇場で公開される。 この映画は、マイケルの元マネジャーが10年間にわたって撮影してきたプライベート映像をもとに製作された。

 マイケルの遺品などを集めた展覧会も各地で催される。
 東京タワーで7月4日まで開催中の公式展覧会では、愛用の'67年製高級車「ロールス・ロイス・ファントム」やアンティークピアノ、舞台衣装など280点以上が展示される。
 また、東京・六本木ヒルズの多目的スペースumuでは今月19日~31日まで遺品展が開かれる。

 さらに東京ディズニーランドでは7月から1年間限定で、3D映像アトラクション 『キャプテンEO』 が約14年ぶりに再上映される。
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