「アリガトウ」連呼 マイケル 大阪で興奮のフィナーレ |
マイケルが魅せた43万人、稼いだり26億円! 今世紀最後のスーパースターといわれ、14年ぶりに来日したマイケル・ジャクソン(29)の日本公演が、12日大阪球場で幕を閉じた。 丸1ヶ月に及んだ日本ツアーは14回公演で43万人を動員、入場料だけでも26億円の売り上げを記録。文句なしに史上最大の外タレ公演となった。 風邪も全快、完璧ステージ マイケルは 「ドーモアリガトウ」を連呼し、投げキッスを残してステージを去った。 バックバンドのメンバーが黒いマイケルハットやピックを客席に投げる。「マイケル!」「アンコール!」の黄色い声が場内を包む。歌っている間は厳しい表情を決して崩さないマイケルに、ようやく普段の笑顔が戻った。 風邪でダウンして延期された最終公演。 「全快した」と公式コメントはあるものの、スタッフの間には「本当に大丈夫か」と心配する声があった。 マイケルは前日、体力回復のため、しるこ・揚げ出し豆腐といった和食を懸命に口へ押し込んだ。日曜日は食物をいっさい口にしなかったマイケルが、だ。 歌も踊りも完璧だった。 中性的な高い声は、マイクを通しても雑音が聴こえるほどの強風を突き破った。 記録用のビデオと写真のクルーがステージに上がると、総立ちで踊っている客席を撮るように指示した。 だが、ステージの全行程が終わり、満足げにスタンドを見回すと、大きく上半身が揺れた。最後にきて病み上がりの疲れを隠しきれなかった。 来日前は、「人嫌い」「変わり者」の前評判ばまり先行したマイケル。 この1ヶ月でその「虚像」は吹っ飛んだ。 新幹線の中でさえファンサービスした。誘拐殺害された功明ちゃんの追悼メッセージなど、むしろマイケルの人間としての温かみがクローズアップされた。 主催の日本テレビでは、 「初めての外人相手の事業で苦労もあったが、大成功でホッとしている。巨人軍優勝とタイミングも合い、局の最高のイメージアップになった」(事業局) と手放しの喜びよう。 スポンサーのNTTやペプシも同様で、商品の売り上げとともに企業イメージアップにホクホク顔だった。 無事公演は幕を閉じたが、マイケルは側近らと20日ごろまで滞在する。 「彼は本当に日本が気に入っちゃったんだ」 とスタッフのひとりは言うが、マイケル旋風はまだ終わりそうもない。 |
マイケル ラスト唱 聖子を‥‥東山を‥‥魅了 真のスター |
マイケル・ジャクソンの初の日本ツアーが12日夜、大阪球場での公演で幕を閉じた。 ちょうど1ヶ月前の9月12日、後楽園球場を皮切りに東京,横浜,大阪で14公演を行ない、延べにして44万人弱を動員した。 途中、風邪による公演延期というハプニングもあったが、マイケルは最終日、目いっぱいフィーバーした。 公演を振り返って 「皆、僕の本当の姿を知らない。皆、誤解している‥‥」 公演のアンコール曲「キャント・ストップ・ラヴィング・ユー」を歌う際、マイケルは冒頭、そうメッセージを送り続けた。 先月9日の来日以来、彼の行動を追い続けた報道陣にそのメッセージは痛切に響いた。"奇人・変人のひとり" というイメージが伝わっていたが、全く別人のような "実像"に驚かされた。 また公演を3回も観て、ファンとしてホテルにまで面会に行った松田聖子は 「私は女性で良かった」 とつぶやいた。 人気No.1アイドル、少年隊の東山紀之は4回も足を運び、ディズニーランドにまで一緒に行き、マイケルを "盗もう"とした。 荻野目洋子は 「ファッションとしてマドンナはもちろんステキだったけど、マイケルにはアーティストとしてのソウル(魂)を感じた」 と称賛した。 歌にしても、踊りにしても、ショーの見せ方にしても群を抜いていた。そして、何よりもステージを降りた後でも "エンターテイナー"ぶりを発揮する姿を残した。 外出すれば必ずファンに手を振って応え、子供の前ではサングラスを外して笑顔をふりまき、余裕があれば気楽にサインに応じる。 日本のファンが節度を心得、危害を加えないと分かると、公演終了後球場を後にする際、移動用のバンの天井から上半身を出し、わざわざステージで着た電飾付きのジャケットを付けて手を振った。 そして功明ちゃん誘拐殺人事件を耳にすると、すぐさま涙のメッセージ。 こうした1つ1つの姿が "真のエンターテイナーは常にファンに夢を与え続けなくてはいけない" という実に当たり前の結論を教えた。自らが子供の用に振る舞うことで、見る者に子供のような優しい気持ちにさせる。それが真のスターじゃないのか? と。 ツアーの動員数や収益金額などの "数字"の上でも成功を収めたが、今回彼が来日して彼自身もっとも得たもの,そして日本の芸能界が得たものは、そうした "真のエンターテイナーとしての姿を見せたこと" ではなかっただろうか。 京都見物は中止 マイケルは、当初、きょう13日からしばらく京都・奈良などを見物するのではないかと見られていたが、体調を崩したこともあり、見送りとなった。 きょう東京に戻り、17日ごろオーストラリア公演(11月5日から)のため直行する。 |