「マイケル様ご一行」 お成り - ディズニーランドも 「貸し切り接待」 の威光 |
最近、恐怖の貸し切り男があちこちに出没している。 貸し切り男は、深海ワカメのような髪のスリムな黒人で、供の者を何十人と引き連れて突如現れる。今までにおもちゃ屋,洋書店など数軒に出没しては貸し切り状態にし、たまたま居合わせた婦女子らを混乱に陥れた。 この分だと、貸し切り男は一般家庭にも侵入し、お茶の間を貸し切る挙に出るのではとの憂慮の声もあがった。 が、彼は子どもの好きそうな所にしか行かないから大丈夫と判明。 事実、貸し切り男は 9月29日、あの東京ディズニーランドに現われたのだった - というわけで、ミッキーマウス君に迎えられ、マイケル・ジャクソン様ご一行のお成りである。時刻は午後8時12分。 ディズニーランドには中核派も赤報隊もいないだろうに、閉園後、ゴミ箱までひっくり返して不審人物が残っていないかチェック,完璧な貸し切り状態にするため、入場予定が40分も遅れた。 もともとディズニー大好き人間のマイケル様。 まず、「ミート・ザ・ワールド」を観、「スペース・マウンテン」に2回乗り、自分が出ている映画「キャプテンEO」を観て、「スター・ジェット」 「ビッグ・サンダー・マウンテン」 「ピーターパン空の旅」 「カリブの海賊」と、午後11時まで、ひと通りのアトラクションを楽しまれたのであった。 もちろん、貸し切り料はタダである。 飲み屋のお座敷の貸し切りさえままならぬ我々には、とても信じられないこのご威光。 日本には、どうかウチにもおいでなまし、と身をよじらせてコビを売る所があまたあるから、マイケル様も よりどりみどりでありましょう。 それにしても、ツアーの疲れも溜まっているでしょうに、ここで3時間も遊ぶなんて、童心に帰ると言うよりも、29歳にして子どもの現役をやっていると言うべきか。 たとえば、フランク・シナトラ様などにこんなご威光を与えたなら、「皇居を貸し切りにしろ」なんて言い出すかもしれないし、アラン・ドロン様なら、「吉原ソープ全店貸し切り!」をご所望になるかもしれない。 千昌夫様なら、銀座を貸し切りにして全部地上げしちゃうかもしれないし、そういえばあのジョギング好きのマドンナ様が、よくも 「外堀通りを貸し切りにしなさい」と言わなかったものだ。 その種のことを考えると、マイケル様は、ご威光のわりに謙虚な方だろうか。 しかし、9月分の公演だけで30万2,000人を動員し、アルバム『BAD』もすでに60万枚以上売れているというこの国で、マイケル様は、あのペットのチンパンジーにまで稼がせる。 乳業会社の広告に出すのだそうだ。 せっかく貸し切り状態のこの国だから、やはりご威光は無駄なく活用しようということなのか。 |