マイケルは、キャサ母の実姉ハティーの息子・つまり従兄のトニー・ホワイトヘッド氏を
BADツアー'88の大道具係として雇いました。
そのトニー氏のプチ手記が、キャサ母本に載ってます。
キャサ母本って、1990年の出版後はその直近に1回再版しただけなのぬ
マイケル旅立ち後に再々版すれば ソコソコ売れたろうに‥‥
倒産したら出版権ごとアレしちまったのかな?
そんなわけで
いま権利がどこにあるのか明確ではない上に
出版から25年を経過したので
という ヘリクツにてww、がっつり転載~~
マイケルの従兄 トニー・ホワイトヘッド氏が見た
BAD Tour'88の舞台裏
マイケルは、僕を5人の大道具係の1人として雇った。
とび職や技術屋や照明係,音響係,それにバンドクルーの人達と一緒にセットを組み立てるのが、僕たちの仕事でね。
特に大道具係の責任は、完全にステージが準備出来ているかどうか ショーのたびに確認する事なんだ。 いつも緊張していなければならない。 ショーの間にステージが崩れでもしたら、マイケルを含めて死人が出るからね。
ステージは巨大なものだった。
1988年1月と2月、マイケルが新しいショーのリハーサルをしたフロリダにあるペンサコーラ・シビックセンターの半分がいっぱいになってしまう程でね。 長さは正確には判らないけど、端から端まで歩くのに7分かかったよ。
マイケルが踊るメインステージは、それだけで10フィート(約3m)の長さのデッキを10個組み合わせたものだった。
ツアーは、定規で測ったように細部まできっちり決められていた。
クルー全員にスケジュールの概要が書かれた小冊子が配られる。 どの日,どこでコンサートがあり,宿泊場所がどこで,プロモーターは誰で,開場時間が何時で,そして何よりも大事なのはサウンドチェックがいつ始まるかってこと。 それまでにステージを完全にセットアップしなきゃいけないから。
みんなは、ツアーに出ていると楽しくやっているように思ってる。
だけど、楽しい時間なんて殆んどないって事を解ってほしいね!
セットを組むのに18時間かかるんだ。 朝の7時頃から働き始めても、終わるのは夜中になる。 翌日はクタクタだから、とにかく寝てたいって感じさ。
それに時々、徹夜作業もある。
一番キツかったのは、インディアナポリスとルイビルを行ったり来たりしてショーをやった時だ。
まずインディアナポリスでショーの準備をし、コンサートが終わるや そのセットを壊して11台のトラックに載せる。 朝の4時頃インディアナポリスを出て3時間半後にルイビルに着くんだけど、それからまたすべてをステージにセットし直すのさ。
マイケルがステージに立つ1時間前にやっと完成した。
あれがツアーの中でもいちばん時間が無かった時だね。 腕はもうしびれっぱなしだったよ。
言うまでもなく、僕とマイケルのスケジュールは全く噛み合わない。
それに、たとえ一致したとしても、ステージ外でマイケルに会うことなんて まず無いね。 第一、彼がどこに泊まっているかさえ僕たちには知らされていないんだから。
マイケルのホテルの場所は、クルーには全く知らされなかった。ファンに訊かれても正直に「知らない」って答えられる為にね。
マイケルのような立場にいる人間は、どうしても安全警備を第一にしなきゃ。 少なくとも12人の警備の警備員がいたのは知ってたけど、実際はもっと多いんだ。 滞在するホテルや演奏するアリーナまたはスタジアムに、あらかじめ何人かがチェックに行く。とにかく、彼らは本物のプロだったよ。
マイケルがどこに泊まっているかは知らなくても、部屋で何をしているか メンバーからいつも聞いていたよ。
毎日、曲を書いていたんだ。 これがみんなのマイケルさ。 お付き合いで出かけたりなんてしないんだ。いつも自分の時間を有効に使うのさ。
ショーの前に彼を見かけるとしたら、大抵は始まる直前だね。
彼は、必ず楽屋で決まった儀式を行なう。
ダンサーやコーラスのみんなと一緒に、1人の衣装係の周りを取り囲む。その衣装係のあとについてお祈りするのさ。 そして突然 「One, Two, Three, LET'S GO!」 と叫ぶ。 すると、ワオ! 魔法が始まるんだよ。
どんなに疲れていても僕は、マイケルのエネルギーあふれる歌やダンス,それに興奮している観客を見ていると元気が出た。
自分の身体の中に、ほどなく何か驚くようなエネルギーが湧き上がってくるのがわかる。
ショーの間に 僕はもう一役・小道具係の仕事もする。
曲と曲の間の暗転の時 ステージに上がって、他の連中と一緒にスツールなどの小道具を急いで取り除くんだ。
僕が好きな仕事のひとつはね、
ショーの終わりに "The Way You Make Me Feel" をマイケルが歌う時、ステージの前の "溝" に作られた大きな扇風機をマイケルのために引きずる事さ。その扇風機がマイケルの髪や衣装を吹き上げるんだよ。
マイケルが歩いたり踊ったりするのに合わせて、僕もリールに乗せた扇風機でそのあとを追う。
マイケルがウインクしてくる事もある。その時はウインクを返す。 微笑みかけてくれたら、微笑み返す。
マイケルが踊り始めると、僕も一緒に踊ることがある。
「僕が踊るのを見て トニーがマネし始めると、笑いをこらえるのに必死だ」
と、マイケルがキャサリン叔母さんに言ったことがあるんだって。
別に僕は、マイケルのマネをしようとしたんじゃない。自分も一緒になって楽しんでいただけさ。 その瞬間こそ、僕がこのツアーで従弟のマイケルと共有する "僕の時間" だからね。
それがどんなに大事な瞬間なのか、マイケルはきっと知らないと思うけど。PR