過去には、マイケル・ジャクソンのミュージックビデオの衣装や、数々のCMの衣装を担当するなど、さまざまな場で活躍しているケイシー・ストーム氏。 今回は、近未来を描いた『her/世界でひとつの彼女』(6月28日公開)で衣装を担当した。 = 中略 = 衣装においても、作品を成功させる秘訣はチームワークだという。 「いかにスタッフたちと良いコラボレーションをするか。みんなで協力して1つの作品を作り上げていく。 映画でも CMでも ミュージックビデオでも同じ。スタッフからも意見をもらったり、一緒に考えたりしていった。オープンに意見を言い合えることが良かったと思う」 と振り返る。 |
Q: | あなたはマイケル・ジャクソンの "Stranger in Moscow" のビデオ用のトレンチコートを買い求めに出たものの、意に沿うような - マイケルのダンスが制約されてしまわないようなコートが見つからず、結局作ることになったという記事を読みました。 = 中略 = 子供の頃から憧れ続けていたマイケルと一緒に仕事をするという機会に、かなり圧倒されたことでしょう。 マイケルからの教えで得た最大の教訓となる言葉は何ですか? |
CS: | 直接的に何かを教えてもらったというわけではありません。 私はただ、彼をとりまくあらゆるものから吸収したのです。 マイケルは、私がこれまで会ってきた人間の中で最もエネルギーを持っていました。 マイケルの存在は もはや地球外のもので、そんな彼のそばにいられた数日間にとても感謝しています。 |
Q: | その後、あなたはマイケル・ジャクソンの "Stranger in Moscow" のビデオでスタイリングをしました。 成長期のアイドルだったマイケルにどれほどあなたが心酔していたかを考えると、狂喜の瞬間だったに違いありませんね。 |
CS: | ええ、マイケルのことは全世界で一番好きな人でした。 9歳から11歳にかけてマイケルに夢中で、彼のような服を着てましたよ。いつもミリタリージャケットを着て… 真鍮のボタン付きの白いジャケットで、もちろんフェドーラ帽もね。 そしてマイケルと一緒にビデオ録りに取りかかる事になるのですが、これまでで最も好きな仕事です。 もう、めちゃめちゃマイケル・ジャクソンなわけですよ。 もうもう、信じられないほど素晴らしかったです。 4日間を共にする事となり、私たちは本当によく気が合い、良い関係を持てました。 マイケルの最もクレイジーな部分は、いかにクレイジーでは無いという事 - つまり、マイケルは至ってノーマルな男でした。 ちょっとばかり10歳の女の子のような声でしたが、話し言葉自体は普通の人と同じでノーマルな男でしたよ。 そこにはイカレた奴(freak)などおらず、偉大な存在がありました。 その男は、これまで見たこともない程のエネルギーをたたえていました。 彼がどのようにしてノーマルでいられたのか,いわばその事が異常事態(freaky)です。 セットは黒く覆われて望遠レンズでの撮影だったので、ヘアメイクと衣装担当の者だけがマイケルを見ることが出来ました。 仕事の間、やたらな人と目線を合わせたくないという強い自意識によるものでした。 そんなわけでそこにいた私は、マイケルの尋常ではないエネルギーを感じることが出来たのです。 撮影で 「カット」と大声がかかって 私が背を向けると、後頭部に何かが当たりました。 振り向くと、マイケルは何もしてないフリをしました。(笑) 2時間ほど そんな感じで、最終的に私は、彼の専属ヘアメイク(※カレンさんですね)に訊いたんです。 「マイケルって 僕にモノを投げつけてる?」 彼女は 「ああ、マイケルはあなたを気に入ったのね。そういう人に彼は "Tic Tac" を投げたりするのよ」 で マイケルを見ると、彼はくすくす笑い始め、Tic Tacを投げつけてきました。 私はただその洗礼を受けるのみでしたが、素晴らしい出来事でしたよ。 人生に 『マイケルと軽い冗談を交わした』 という出来事が刻まれるって、とてつもなくエキセントリックな事です。 |